ママがパパの扶養に入るときの条件と手続き方法
妊娠や出産・子育てを機に、転職や退職を考えているママもいますよね。
今回は、夫の扶養に入るときの条件や手続き方法について詳しくご紹介しようと思います。
ママがパパの扶養(社会保険)に入るための条件
条件1.年収130万円未満でママの勤務先で社会保険に加入してないこと
年収130万円以上あるママは、パパの扶養には入れません。ママの勤務先の社会保険に加入するか、自分で国民健康保険と国民年金に加入しなければいけません。また下記条件を全て満たす場合は、ママ自身の勤務先の社会保険への加入義務が発生しますので、勤務先で社会保険に加入する場合も扶養には入れません。
<社会保険への加入義務条件>
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 賃金月額が88,000円以上
- 雇用期間が1年以上見込まれる
- 501人以上(厚生年金の被保険者数)の従業員のいる事業所
- 学業を主とする学生(昼間学校に通う学生)でないこと
※500人以下の従業員のいる事業所でも、労使合意のある会社や地方公共団体に属する事業所に該当する場合は適用されます。
細かい条件がありますので、パパの扶養内で働きたい場合はママの勤務先に確認してみましょう!
条件2.雇用保険の失業給付を受給していない。または、雇用保険の基本手当の日額が規定以下(受給額が日額3,612円未満)である。
日額3612円以上の失業給付金を受給している期間は扶養にはいれませんが、失業給付金が日額3612円以上の場合でも失業給付受給開始前の待期期間・給付制限期間中は扶養に入ることができます。また、出産・疾病等により失業給付の受給延長申請をした場合も、受給開始までの期間は扶養に入ることができます。
ママがパパの扶養(社会保険)に入るときの手続きと必要書類
社会保険(健康保険・年金)の扶養に入るときは、必要書類を揃えてパパの勤務先に提出しなければいけません。会社によって、状況によって必要な書類が異なりますのでパパの勤務先へ必要書類の確認をしましょう。また、扶養に入る日から5日以内の届け出が必要となります。しかし、期限までに必要書類が揃わない場合などは期限を延ばしてもらえることもあるので、会社へ相談してみましょう。扶養申請中で保険証が手元に無いと医療費は全額自己負担となりますが、きちんと期限内に申請をしていれば資格取得日以降の診療分については保険が適用されます。保険証到着後に病院で返金してもらったり、会社に「療養費支給申請書」を提出することで還付されます。
ママが退職先から受け取り、パパの勤務先へ提出するもの
・退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し
※健康保険資格喪失証明書や源泉徴収票のコピー等が必要な会社もあります。
パパの勤務先でもらう書類(記入して提出する)
・被扶養者(異動)届
※誓約書や状況届け等が必要な会社もあります。
役所にもらいに行く書類(※必要かどうかはパパの勤務先に確認してください)
続柄や同居を証明できるもの(世帯全員の「住民票」)、所得証明書
ハローワークで受け取る書類(※必要かどうかはパパの勤務先に確認してください)
雇用保険受給資格者証の写し(雇用保険の失業給付の受給終了後に扶養にはいる場合や、雇用保険の基本手当の日額が規定以下(受給額が日額3,612円未満)の場合)
受給期間延長通知書の写し(退職後、出産・疾病等により失業給付の受給延長申請をする場合)
年収による税金控除や社会保険加入のルール
扶養には[社会保険]上の扶養と、[税金]上の扶養があります。社会保険加入義務、税金の有無、税金控除額などは年収によって決まります。
100万円 | 年収およそ100万円を超えた場合に住民税が発生(住民税は地方税ですので、自治体によって発生する年収が多少違います。) |
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103万円 | 年収が103万円を超えると、所得税が発生 |
106万円 | 年収106万円以上で、自身の勤務先の社会保険への加入義務が発生(※加入義務条件全てに当てはまることが必須) |
130万円 |
年収が130万円以上の場合、夫の扶養(社会保険)に入れない |
150万円 |
配偶者控除・配偶者特別控除を最大額受けられる上限年収。 |
201万円 |
配偶者特別控除を受けられる上限年収。 |
※配偶者控除には所得制限があり、パパの合計所得が900万円超950万円以下の場合は26万円、950万円超1,000万円以下の場合は13万円、1,000万円超の場合は配偶者控除は受けられません。
自身の勤務先で社会保険に加入した場合、手取り額が大きく減ります。年収129万円で社会保険未加入(パパの扶養に入る)の場合と同じ手取りになるには、年収150万円以上稼ぐ必要があります。
扶養に入るメリットとデメリット
メリット
・ママは年金保険料を払わずに国民年金に加入できる(パパの保険料が増額されることもない)
・ママは健康保険料を払わずに健康保険サービスを受けられる
・「配偶者控除」や「配偶者特別控除」が適用され、パパの所得税・住民税の負担が軽減する
・パパの勤務先に「配偶者手当」がある場合は、手当が支給される。
デメリット
・ママの老後の年金額が下がる
・家族の合計収入を増やせない
まとめ
子どもが小さい時にゆとりを持って働きたい場合には、扶養内で無理なく働くことはとても魅力的だと思います。しかし、金銭的な余裕を持ちたい場合は、扶養から外れてフルタイムで働く方が良いでしょう。また、今後のキャリアアップを考えているママにとっては、早い段階で扶養から外れて働くことも選択肢の一つでしょう。時間的余裕を考えて、子どもの成長と共に働き方を変えていくのも良いでしょう。扶養に入るかどうかは、これからの生き方、ライフプランを考えながら決めていくのが良いでしょう。